ちょっと古い話になります。昨年11月末に愛媛 坊ちゃん劇場 演じる「ジョンマイラブ」を観ました。
坊ちゃん劇場は,日本でも極めてめずらしい「地域拠点型劇場」です。四国や瀬戸内圏の歴史や伝統文化・偉人を題材にした舞台作品を,愛媛から全国へ発信しています。自主制作のミュージカル作品を1年間上演する日本で唯一の劇場です。
地域という言葉に弱い私です。
ジョンマイラブのジョンとは土佐藩(高知県)の貧しい漁村に生まれた,ジョン万次郎のことです。
彼は,幕末から明治維新にかけて,多くの人に影響を与えました。主だったところでは,坂本竜馬,岩崎弥太郎,勝海舟,福沢諭吉,板垣退助と言った人たちです。そうそうたるメンバーですね。
今回の劇にそれらの人物は登場しません。ジョンマイラブは,万次郎と最初の妻「鉄」との物語です。
ジョンマイラブについて
ジョンマイラブのポスターです。ちょっとチャラいですよね。妻の「鉄」役は,AKB48のメンバーが演じています。
正直見に行くことを躊躇しました。でもまあ良い機会かもと言うことで,チケットを購入しました。
行って良かったですよ。大正解でした。普段ミュージカルの実演を観る機会がないので,ずいぶん新鮮に見入ることができました。
しかも,私このようなテーマには弱いんです。
江戸時代の身分の固定された,でも幕末のペリーショックで,新しいものも入りつつある時代。開国を巡り激流に揉まれる日本で、自由と平等の国になることを夢見て奔走するジョンと、それを支える鉄の、涙と笑い、そして愛の冒険物語でした。
自由と平等
英語ができる。実際にアメリカを知っている。度胸もある。才能もある。
しかし、スパイ疑惑によりペリーの通訳をはじめとする重要な通訳、翻訳の仕事から外されてしまいました。そのときの万次郎の気持ち,察するにあまりあるものがありました。弟子たちともお別れをしなければなりません。
Freedom, Equality, そのときの弟子たちが名付けた和訳が素晴らしかったです。(実話なのだろうか)
Freedom 自由・・・自(みずか)らを由(よし)とする。
Equality 平等・・・平(ひら)たく等しい
思わず涙が流れました。涙もろい私です。
あの時代に本当の自由と平等に触れた万次郎は,江戸幕府の中で差別を受け,何を思ったのでしょうか。女だという理由で,大きな制約を受けた「鉄」やその友達は何を思ったのでしょうか。
ふと思いました。万次郎や鉄が今の日本を見たら,どう見えるのだろうか。
今の日本を思う
万次郎や鉄が今の日本を見たら,「理想郷」に見えるかもしれませんね。
彼らが心の底から切望した,「自由」と「平等」がごく普通に存在します。
彼らの生きた時代からは,想像ができない「豊かさ」が存在します。
やろうと思えば,大概のことには「チャレンジ」できます。
もちろん今の日本にも,問題がたくさんあります。それは私も痛いほど知っています。
それでも,「人類がたどり着いた理想の形の一つ」であるように思います。
その見方は大事だと思います。特に今の自分にとっては大事だと思います。
歴史の積み重ねの中で,築かれてきた人類の理想。
私も,人類の理想をより高める一助になることができれば幸いであります。
(ちょっとだけ傲慢な私です。)
P.S LOVE・・・愛(あい) I(あい)LOVE YOU. だって。
実話なのだろうか・・・・?