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ネコ白血病 余命1週間の宣告を受けて

 我が家の2代目「クロ」がネコ白血病を発症した。先代からお世話になっている動物病院で,余命一週間の宣告を受けた。今回はその顛末と,現在の状況の報告である。ほぼ日付順に書いていく。

ネコ白血病発症 2月11日〜14日

 2月11日(土)
11時頃餌を食べた。それを最後に全く食べなくなった。水をわずかに飲むだけだ。そのときはそれほど深刻には考えていなかった。あれほど食い意地が張っていた2代目クロが,昼以降食べなくなってどうしたのだろうとは思った。

12日(日)
昼頃には明らかな異変に気がついた。結構元気に動き回っていたクロが,コタツから全く出てこなくなった。食事も全く取らない。よだれが拭いても拭いても垂れてくる。目やにと鼻水も多い。明らかにおかしい。しかし動物病院はお休みである。仕方がないので,月曜日まで待つことにした。

13日(月)
早朝ホットカーペットの電源を入れに行く。6時間で電源が切れる仕様はどうにかならないものだろうか。たまたまクロがコタツからでてきていた。
クロの目を見てゾッとした。白目の部分が真っ黄色だ。これは黄疸の症状だ。明らかに肝臓に異変が起きている。妻は目の色に前日から気がついていたそうだ。が,自信がなかったそうだ。ここまで黄色くはなかったらしい。
動物病院の留守電に症状を入れる。やがて病院から連絡が来た。11時に診てくれることになった。

病院に行く。朝よりもさらに白目の黄色がひどい。よだれも凄い。ぐったりとしたまま全く動かない。腹部エコーを行う。血液を採取して,検査に回す。検査結果を待合室で待った。
しばらくして診察室に呼ばれた。

検査結果を説明してくれる。丁寧に丁寧に説明してくれる。他の可能性を一つずつ潰していく。そして結論。

 “ネコ白血病発症” “余命1週間”

点滴を行う。明日10:30に予約を取って診察室を出た。

妻も私も泣いている。待合室の人々(結構多かった。3〜4組はいただろうか)は,誰も顔(目)を合わさない。お金を払って家へ帰る。途中スーパーによって弁当を買った。昼ご飯を作る気力などなかった。

クロはますます弱っていく。何も食べない。たまにわずかに水を飲むだけだ。ほとんど動くことはない。鼻水,目やに,そして何よりよだれがひどい。目は真っ黄色だ。
夜20:00頃,膝の上にやってくる。そのまま録画してあったTVを見ながら2時間ほど過ごす。ホットカーペットの電源を入れ直して(6時間で切れる設定,どうにかして)自分の部屋に上がる。

14日(火)
朝元気なし。目黄色,よだれひどい。
10:30前に病院へ行って受付をする。本日は妻は仕事なので,私一人だ。11:00過ぎまで車の中で待つ。昨日の私たちのような患者がいるのだろうか。どうやらそうではなかったようだ。やがて順番が来た。

「何も食べなかった」事を告げる。Dr.の表情が曇る。嘔吐と下痢の有無を聞かれる。それらはないことを言う。
点滴を受ける。明日は病院はお休みなので,明後日(木)9:50(病院は10:00始まり)に来るように言われる。

スーパーで安いおにぎり弁当(198円)と焼き鳥を購入する。帰って昼からビールを飲んだ。

実は退職(12月23日)するとき,誓いを立てた。
「平日の明るいうち(夏場は晩飯まで)は,アルコールは飲まない(ただし家に限る)」だ。アルコール依存症防止のためである。そんな誓いを立てたのも,自分にはその危険性があることを,自覚していたからだ。
もう誓いなどどうでもよかった。やっていられなかった。クロを見ながら,缶ビールを2本開けた。

13:00過ぎ,ほんの少しだが,クロがネコツナを食べる。何時頃だろうか,白目の黄色が少し薄くなる。よだれが減る。コタツのまわりをちょっとだけ動く。

夜,2階からクロのいるリビングまで,布団を一組下ろしてくる。こたつの横に布団を敷いた。クロと一緒に寝る。一度クロは布団の上にやってきたが,私が風呂の入っている間に,コタツの中へ入ってしまった。その夜は二度とコタツから出てこなかった。

ネコ白血病発症 2月15日〜16日

15日(水)
朝,ネコツナ少量食べる。目の黄色少なし。よだれ少なし。
13:00過ぎ,ネコツナ結構食べる(今までで一番たくさん)。水少々飲む。その後膝の上にいる。寝息を立てている。

このまま寛解してくれるといいな。
しばらく安らかに過ごすことができるといいな。

「心を抑える。期待してしまう,自分の心を押さえ込む。」

夕方,ネコツナ少々食べる。
夜にかけてから,コタツの中から出てこなくなる。夕方以降何も食べない。水も飲まない。よだれも出てきだした。

16日(木)
朝6:00前,コタツの中から出てくる。ネコツナほんの少量食べる。水少量飲む。コタツに入る。
7:00頃コタツから出てくる。私の布団の上に座る。私の横に寝る。
そのまま病院に移動する前まで過ごす(嬉しい)。

病院にて点滴を受ける。大人しいネコだ。非常に賢い(親馬鹿か)。以後一日おきに点滴をすることになった。理由は,「病院に来ることも結構負担になるから」と言うことだ。

病院後,私の買い物に付き合わせた(ウイスキー)後,家に帰る。家に帰ってツナ少量食べる。嬉しい。コタツに入る。

やはりクロは長くはないのだろう。
残された短い時間,
せめて少しでも痛くないように。
苦しくないように。
幸せなように。

     2月16日(木)11:35記 (記録ノートより)

そして今 2月22日(水)

22日(水)
クロはまだ生きている。

16日(木)夕方
元気が出てきた。かなり食べるようになった。今までの最高量。それまでほとんど動けなかったが,夕方から動くようになった。キッチンカウンターに上る。前はこれで怒られた。今は私に喜ばれている。結構身軽だ。嬉しい。

19日(日)
昨夜初めて布団の中で,朝まで一緒に寝る。嬉しい。
(以降ずっと寝るときは一緒だ。)

16日の夕方以降,クロは結構元気になった。食事の量は元気な頃と変わらなくなった。コタツの中で過ごすことが多いが,割と動き回るようになった。リビングルームから出て行こうとはしない。それでも最悪期と比べれば,雲泥の差だ。

21日(火)
病院へ行く。体重が増えていた。Dr.も喜んでいる。点滴を打つ。最後にドクターは言った。「明日とあさっては連休になります。金曜日の予約を入れましょう。」

「もし,悪くなったら,いつでも留守電に電話を入れてください。明日は休みですが,10:00から患者が入っているので,そのときに来てくれてもいいです。」

結構ショックを受けた。このまま寛解してくれると思ったりもしていたのだ。


それでもクロは生きている。時間がこれほど貴重だと感じたことはない。

P.S 長男の時にも時間が欲しかったよう

ABOUT ME
てん坊
てん坊です。まわりを田んぼにかこまれた,田舎に住んでおります。2022年末にリタイアしました。いろいろな思いをゆっくり綴っていきたいと思います。

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