昨年より一年間「本当家」のお仕事をしてきました。「当家」とは町内会行事全般の世話役のことです。神事全般,神社や神様・観音様の清掃やお備え。お祭りの準備と開催。同じく花見や懇親会の準備・開催。などなどすることはたくさんありました。結構大変であります。
当家は一年交替の持ち回りで回ってきます。大体20年(少人数化により15年くらいになるとのこと)に1回ぐらい回ってくるそうです。今回は私の近所のメンバー5人で行うことになりました。私はその中で本当家,当家の責任者を仰せつかりました。そのお仕事が1月8日の町内会総会を持って終了しました。今回はその当家を務めた経験と感じたことを書いていきたいと思います。
当家を引き受けて 思ったこと
私はこの地域にやってきて25年になります。しかしながら地域活動としては,前地域の方に属していました。と言うのも両親が地域で旅館をやっていたので,割と地域の中心だったからです。完全に今の地域に入ったのは母が死んでからのことです。実質6年目です。
元々の地域では,子供の頃から,祭りや,相撲大会や,カラオケ大会などに参加してきました。内子(うちこ)をやっており,だんじりに乗ってお囃子をならしたりもしました。祭りになると小学校を半日で帰らせてもらい,だんじりに乗ってお囃子をならして,お菓子をもらえるのが嬉しかったです。大人になってからは,神輿を担いだり,だんじりを引いたり,懇親会に参加したりと地域活動に参加してきました。今の地域に移り住んでからも,行事は母の代わりに参加していたので,40年以上過ごしてきました。大体のことは分かります。
しかしながら今の地域は移り住んでからの時間は長いというものの,地域活動という点ではあまりよく知りませんでした。そんな自分が「本当家」として町内会行事の世話役の責任者になる。はっきり言って不安でした。当初は不安で不安でしかたなかった私が,何とか1年間大役を勤め上げることができたのは,ひとえに当家の仲間たちと,町内会長さんのおかげです。一緒にやってきたメンバーには感謝しかありません。
1年を終えて思うこと
なかなか大変な一年間でしたが,そのおかげで地域の行事を知ることができました。そしてこの地域の一員になることができたように思います。地域の人たちに私のことを知ってもらえました。そして地域の人たちを知ることができ,その距離が小さくなりました。特に一緒に仕事をした5人の当家のメンバーとはそれを強く感じます。一生仲良くやって行けそうです。
最近地域活動は下火になってきているように思います。若い世代は地域活動に参加することに煩わしさを感じる人もいる(多い)ことでしょう。地域も高齢化,少人数化し続けています。今までのように祭りや行事を続けることは難しいことでしょう。おそらく地域活動は徐々に少なくなっていくことでしょう。特にコロナ禍に見舞われてからは,懇親会的な行事はほとんどできなくなってしまいました。コロナに関係なく地域活動ができるようになる日が来るのでしょうか。
それでも地域活動の大切さを思います。高齢化,少人数化が進むからこそより地域活動が大切になるのだと思います。何ができるのでしょう。確かに大きな課題ではあります。でも何かしたいなとは思います。
この場所で生きていく
今回「本当家」として地域の活動に参加することができたのは,結果として素晴らしい宝物を私に与えてくれました。一緒に仕事をした当家のメンバーや町内会長さんはじめ,地域の主立った人たち。そして今までよく知らなかった地域の活動。
私はおそらく死ぬまでここで生きていくことでしょう(認知症で施設に行くかもしれませんがね。その場合はそうするように妻には言っております)。15年後ぐらいにはまた当家の仕事が回ってきます。そのときには今回のメンバーは大きく替わっていることでしょうし,私が本当家をすることはないでしょう(多分)。そのとき地域と私たちはどうなっているのでしょうか。
地域に根ざして生きていくことは大切だし,私はそれは嫌いではありません。この地で楽しく,穏やかに生きていくことができれば幸いであります。