1月に入って映画を3本見ました。
日付順に 1月25日「THE FIRST SLAM DANK」
1月30日「イニシェリン島の精霊」,1月30日「金の国水の国」です。
それぞれ感じたことを書いていきたいと思います。
まずは「イニシェリン島の精霊」です。日付順ではありません。
イニシェリン島の精霊
本年度のヴェネチア国際映画祭の脚本賞と,ヴォルビ杯男優賞の2冠の作品であります。わりと期待して見に行きました。観て感じたこと。「ひたすら陰鬱である。」
アイルランドの内戦を対岸に見ながら,話が進んでいきます。内戦と島の人たちの心情を重ねたのでしょう。テーマはそのあたりにもあるのかもしれません。
島の風景や家々の映像は,落ち着いたノスタルジックな美しさを醸し出しています。素晴らしく美しいです。やや怖さを感じるほどです。俳優たちの演技も見事でした。がそれにしても陰鬱です。
コルムはなぜあそこまで友を拒絶するのでしょう。確かにパードリックは,相手の意をくみません。自分のことだけしか見えていないように感じます(おそらく今であれば,軽度発達障害者に当たるのでしょう)。がしかし,それにしてもコルムの行為は行き過ぎです。パードリックの行為に対して,釣り合いが全くとれません。ロバを死なせたことについても,コルムの対応はありえません。それでいてパードリックに寄り添うような行動を取ったりもします。超超強度のツンデレとでも言うのでしょうか。
それらの描写が芸術的と評価されています。そもそもあれを高く評価しがちな映画界がおかしいと思いました。映画界は素直じゃない。
金の国 水の国
ややデフォルメっぽい人間たちに対して,美しく描き込まれた自然や建物や背景。ああいう表現もありですね。そして全編に流れるほのぼのとした優しさ。まるで「イニシェリン島の精霊」の対極にあるようです。(同じ日に観ました。)
すがすがしいまでの大団円。希望に満ちた未来の建設で幕を引きます。心がほっとして暖かくなる映画です。
(金の国はなぜもっと早くに攻め込まなかった と言う突っ込みは置いておく。)
THE FIRST SLAM DUNK
あまりにも有名なバスケ漫画です。にもかかわらず,私は今まで見たことがありませんでした。全く何も知らない状態で映画が楽しめるのか。少しの不安はありました。しかしそれは全くの杞憂でした。事前の知識など関係ない。これはこの作品単独で完結したものでありました。
(全巻読んでいる人にとっては,また違うのでしょうね。)
それにしてもほぼ2時間の中に,よくあれだけのドラマを組み込めたものだと感心します。それぞれのドラマがほとんど違和感なく受け止めることができました。大したものであります。試合も思わず手に汗握る白熱したものです。「無音」が実に効果的でありました。
映画の内容も良かったのですが,特筆すべきはその映像です。実際のバスケを見るよりもバスケらしいんじゃないでしょうか? 動きの力強さ,速さ,躍動感,そして正確さ。なんだかバスケはこうやって動くのだと,教えられたように感じました。
これ,映像的には,新境地に達しているんではないのでしょうか。凄かったです。見るべきです。
映画っていいものです
昨年の映画鑑賞の回数を数えてみました。24本見ております。一昨年も数えてみました。同じく24本です。(スケジュール手帳に控えておりました。)
今年は30本超えしてみたいですね。
「いやー,映画って本当にいいものですね。 サヨナラ,サヨナラ,サヨナラ」
(淀川長治先生を偲びつつ 日曜洋画劇場でしたっけ。)